日本漁業の驚愕的な凋落の現状(その2)

漁業政策の失敗と再生のための新たな資源管理規制とは?

◎さかなはいつまで食べられる
衰退する日本の水産業の驚愕すべき現状
小松正之著(2007年8月31日第1版第1刷発行)
◎勝川俊雄 公式サイト   

日本漁業の再生は、IQ、ITQ方式の採用にかかっている。

以下、両著を要約して行くことになる。

A)日本の漁業政策の現状と資源再生のために
B)漁業先進国で採用され成功している資源管理規制の現状

日本及び世界の漁業政策の現状を理解するためには、次の用語を基礎知識とする必要がある。

注:用語説明
ABC(生物学的漁獲可能量)…水産総合研究センターの資料に基づいて行政庁が設定する枠で、科学的に見てこの水準以上獲ったら乱獲になるという数量。
MSY(最大持続生産量)…獲れば減る、獲らなければ増える。しかし餌や生活環境に限界があるので、無限には増えない持続的生産量。
TAC(総漁獲可能量)…ABCをもとにして、MSY理論によって前年の漁獲量の集計・推定のもとに設定される。国連海洋法条約に基づき、200カイリ排他的経済水域の設定の際に、魚種ごとのTACの算定が義務付けられた。
TAE(タエ)(漁獲努力可能量)…漁船の休業・減船、操業期間の短縮による入口での資源管理。
IQ(個別漁獲割り当て)…獲って良い量(TAC=総漁獲可能量)の上限の総量を設定し、あらかじめ漁船ごと、ないし漁業者ごとに配分しておくこと。さらに譲渡の可能性を持たせると
ITQ(譲渡可能漁獲割り当て)…IQの個々の漁業者が与えられた枠を他の漁業者に譲渡・販売することで、経済的最適化を図る。
オリンピック(ダービー)方式…漁獲総量はきまっているのだが、早い者勝ちの競争漁獲で、過大な設備投資と漁獲過剰が生じ、さらに乱獲の原因になりやすい。
漁獲努力量…漁船のトン数、漁具の種類、操業日数などを規制するもの。譲渡可能・不可能を含む。

A)日本の漁業政策の現状と資源再生のために
日本の漁業資源管理規制の現状は今どうなっているのだろうか?

1)TACによる資源管理規制 
   …魚種ごとに漁獲出来る上限を総量で設定し、業界全体の総量として管理する。

 国連海洋法条約に基づき、各国は自国の200カイリ排他的経済水域で、魚種ごとのTACの設定を義務づけられることになり、日本では1996年に導入された。
 TACの算定は、ABCをもとにしたMSY(最大持続生産量)理論によって、前年の漁獲量の集計・推定のもとに設定されている。
 しかし、スケソウダラ・サンマ漁においても、しばしばTACはABCを超えて漁獲されている。

◎日本でのTACの対象魚はたったの8種類だけ、しかもオリンピック方式となっている。
 サンマ、スケソウダラ、マイワシ、ズワイガニ、スルメイカ、サバ(マサバ・ゴマサバ)、マアジの8種類(マサバとゴマサバは区別されず、同種とされる欺瞞のために、マサバの乱獲になりやすい)だけで、他のほとんどの魚種に全体の漁獲の上限を定めるTACを設定していないばかりか、わずか8魚種には設定していてもオリンピック方式で、高い投下資本の下に優秀な漁船を所有する、早い者勝ちの競争漁獲のため、多々漁獲過剰が生じてしまう。
 オリンピック方式を採用しているTACのもとで資源を守ろうとすると、漁期はどんどん短縮される。アメリカでは漁期が1ヶ月とかはよくある話で、3日とかいうのも少なくない。カナダでは産卵親魚を対象にした漁業では漁業開始から終漁まで、なんと15分しか無いと言う。(勝川俊雄)

◎水産庁の規定するTACには罰則規定が無く、乱獲の原因となっている。
 監視や取締りも充分な体制がとれず、しかも過剰漁獲に対する罰則規定のあるのはサンマとスケソウダラの2種だけとなっている。日本海における日中・日韓漁業協定で、両国の漁船に対してサンマ・スケソウダラ以外の、TACが適用されない他の6魚種に対しては、日本でもTACを超えたものに対しての罰則規定は設けないことになっている。
 そのために、サンマ・スケソウダラ以外は漁獲量がTACを大幅に超えることが多々あるのだが、漁業者の経営事情等を考慮に入れるために、なし崩し的に容認されてしまっている。 そのため批判が大きく、個別割り当て(IQ)方式によって、TACを漁船ごとに配分すれば管理がやり易いのではないかと考えられるようになってきた。
 TACの決定方法…水産庁の外部団体である水産総合研究センターがABCを算定する。全国資源評価会議において、ABCにもとづく管理方法が提示され、漁業者との意見交換を行う。この意見交換を踏まえ、漁業経営者の事情を勘案して水産政策審議会資源管理分科会において決定される。(「漁業経営者の事情を勘案して」の下に、TAC制度は骨抜きにされてきた。(川崎健))

では、最近の漁業政策の主流はどのようになっているのだろうか?

2)TAE(漁獲努力許容量)による国の資金援助による管理規制
   …現在の水産庁の資源回復政策の大黒柱となっている

TAE(タエ)とは?
 200カイリ経済水域の採用により、14年前の1996年から採用されたTACが漁獲量の過去の実績によって決められる漁獲の出口管理とするならば、TAEの方法は、漁獲の入口での管理といえ、漁獲努力量(漁船、漁獲日数等)の上限を超えないように管理することによって資源の回復を図ることになる。
 このTAE制度は、2001年、資源管理法(いわゆるTAC法)が改正されて導入されたものである。水産庁が「現在の漁業政策の大黒柱」と位置づけ、2002年からスタートさせた資源回復計画である。
 計画作成にあたっては、国、都道府県、漁業者が一体となって資源や漁業の状態を検討(TACによる)した上で、休業や減船、操業期間の短縮、種苗放流など総合的な対策を盛り込み、それらのために発生する経費は、国が漁業者、都道府県と分担する。この時はじめて国の経済援助の下での資源復活政策が実施され、漁獲努力量の上限、漁獲努力可能量を法律できちんと設定し、強制力を持たせることになった。

◎しかし、TACが実質漁獲量よりも遥かに高く、ABCを上回る数値に設定され、TACを超える過剰漁獲に対する罰則規制も全く無視され、日本漁業の大きな欠点であるオリンピック方式での漁獲法も改善されることもなく、そのまま継続して容認され続けている。

TAE制度による国の経済援助額の実態
 TAEによる資金援助は初年度の2002年34億円。03年21億円。04年20億円。05年17億円。06年、07年ともに15億円と少ない。しかも国の資金援助となる水産庁の予算の60%前後が漁港整備などの公共土木事業費というハード偏重の欠陥を引きづって来ている。
 船も人も減り、高齢化する中で、変わらないのが水産庁の予算で、本来のTAE制度の充実に向けられる予算は少ない。そして、国の経営支援の元に行われるTAE制度はTAC制度よりも良い制度と考えられるが、実際に減船、休業、操業短縮などの漁獲努力量を厳密に規制しようとすると、かなりの時間と調整力が求められることになるなどとも言われる。(本来の資源管理のためには、かなりの時間と調整力の発生は当然のことで、水産省・漁業関係者に求められる本来の通常の仕事であるはずだ)

◎TAEによる資源回復計画の弱点
(1)関連する都道府県の財政上のゆとりの多寡による頓挫の可能性がある。
(2)休業による努力可能量の削減は、操業日の操業時間の延長、さらには夜間にも操業するなどによって、簡単に埋め合わせられる可能性がある。
(3)減船は、合理化と称して大型の船を作ることによって埋め合わされ始めている。最近では巻き網漁船の大型化が目立っている
(4)オリンピック方式の早い者勝ちの競争漁獲の継続は、過大な投下資本の増大による相変わらずの弱肉強食の弊害を継続させている。

3)伝統的な、漁業者自身による自主管理
「苦しくても、資源は漁業者自身が自主管理で守ってゆかなければならない」と言われる。

(1) 秋田のハタハタ漁、A北海道の檜山沖のスケソウダラ漁、(2)京都の京底連のズワイガニとアカガレイ漁、(3)伊勢湾周辺のイカナゴ、(4)北海道道東沖のシシャモ漁などの資源管理は、TACやTAE制度が導入される前から日本で伝統的に行われてきたものである。

新たな課題の発生
1)海洋生態系全体を考えての多国間での漁業管理の必要性
*エチゼンクラゲの大量発生…中国沿岸部の埋め立て、富栄養化、東シナ海・黄海・渤海での乱獲によるマイワシの根絶により、マイワシが餌としていたプランクトンが増大し、それを餌にしているクラゲが増えるという食物連鎖の原因。
*マグロ類、タラ類のような大型魚が著しく減少し、海洋生態系のトップ(大型捕食者)の魚類の減少が、寿命の短いイカ類、イワシ類などの小型魚、さらにクラゲ類の増加をもたらしている現象に対する多国間での漁業対策の必要性。

2)温暖化対策としての漁業管理の必要性

 温暖化による海水温の上昇に伴う魚種交代によって増減すると予測される漁獲魚に対して、単一の魚種ではなく、生態系の多様性と保全に配慮した複数種を含めた資源管理を行う。温暖化のデメリットだけではなく、メリットも検討する必要がある。

3)レジームシフトによる新たな魚種交代理論と漁業規制

 レジームシフト理論の発生によって、MSY理論が破綻をきざし、MSY理論を根拠とするTAC規制の捉え方は考え直さなくてはならなくなった。そしてレジームシフトのリズムの阻害要因として(1)温暖化による海洋大循環のリズムの変動 と(2)乱獲があげられている。
*レジームシフト理論(注・後述)導入とTAE制度による資源管理計画の最初の成功例
  秋田県のハタハタ漁…資源の回復期に採り入れられた禁漁の効果といわれる。

 漁協の下で、漁業者の全面禁漁と、水産庁による厳密な漁獲努力可能量の設定と、資源の回復期のタイミングの見事な一致という、努力と環境の相乗効果で成功したと言われる。

しかし、TAEが導入されて8年経過するにも関わらず、日本漁業はさらに悲惨な状況に陥って来ている。

1)TAEのもとでの失敗の原因はナンだったのか?
 TAEはTAC制度のもとに行われるのだが、日本のTACそのものが大きな欠陥を持つものであった。
日本のTAC制度はオリンピック方式ではない。それどころか資源管理ですらない。
「日本のTAC制度には、漁獲量を制御する効果が全く無いので、資源は減り続けている。これを資源管理と呼ぶのは、真面目に資源管理をしている漁業に失礼だ。」

では正しい資源管理とは
「生物の生産力を評価して、持続的な漁獲量の上限を推定する。この持続的な漁獲量の上限がABCである。生物の持続性を守るためには、漁獲量をABC以下に抑える必要がある。そのためには全体の漁獲枠(TAC)を設定する。TACはABCよりも低くないといけない。乱獲を回避するために設定されたTACを配分する手段としてオリンピック制度、IQ,ITQなどがあるわけだ。配分によって漁業の行く末や漁業者の痛みはぜんぜん違うが、TACよりABCが大きければ生物の持続性は守られる。オリンピック制度、IQ,ITQは全て乱獲回避というゴールを達成できる。その意味で、これらの制度は全て資源管理なのである。」

しかし、日本のTACは乱獲のお墨付きである。
「TAC対象魚をみると、日本のTACはサンマを除き軒並みABCを上回るTACが設定されている。これでは国として乱獲にお墨付きを与えて推奨しているようなものである。しかし魚がいないために、漁獲量がTACまで到達することは稀である。この稀なことがおこると、漁獲を制限するどころか、TACの方を増やしてしまう。これで資源が守れるなら、資源管理なんて必要ないだろう。日本のTAC制度はオリンピック方式ですらない。資源枠組みを輸入したが、運用の段階で完全に骨抜きになっているのだ。」「TAC対象のどの魚も漁獲量を減らしているのは、巻き網による規制の無い乱獲のためだ。サンマは、業界が強いために、巻き網に魚をとらせていないために、TACをABC以内の数字に抑え、理想的な漁獲制限をすることによって、漁獲量を落としていない。」

まっとうな資源管理と日本のTAC制度の違い
「まっとうな資源管理では、筋道こそ違えども、乱獲回避というゴールにはたどり着く。一方日本のTAC制度は乱獲状態を容認している時点で、資源管理とは言えない。日本漁業は、実質的には無管理であり、時代遅れのオリンピック制度ですらないのである。日本の資源管理は、スタート地点にすら立てていないのだ。」(以上勝川俊雄サイトより)

 では、さらに衰退し続ける日本漁業の現状を見ながらも、水産庁はIQ, ITQの採用を拒否し、なぜ今後もTAEの継続を決定したのだろうか?
 過去に衰退する漁業から立ち直っていった漁業先進国では、なにをやって成功したのだろうか?

B)漁業先進国で採用され、成功している新たな資源管理規制
1)IQ方式による資源管理規制
乱獲による資源の激減、衰退産業からの再生

個別漁獲割り当て方式の長所
(1)魚種ごとに年間総漁獲量を決め、それを各漁協・漁船ごとに割り当てられるもので、管理し易い
(2)漁船ごとに操業計画を立てられる。
(3)漁獲枠が決まっているので、魚が旨く、市況の高い時期に集中的に操業でき、水揚げ金額が増える。生活に時間と余裕が出来る。
(4)オリンピック方式の早いもの勝ちの競争が無くなるので、船の性能を競うような過剰な投資をしないですむ。

2)ITQ方式による管理規制の長所
IQの個別に配分した漁獲枠を、金銭による譲渡可能にした方式で、
(1)漁獲枠を個別に分割することによって、早獲り競争を緩和する。(IQと同じ)
(2)経済的な最適化、特に過剰漁獲能力(漁船等)の削減に大きな役割を果たす。漁獲当たりの利益の高い漁業者、経営体に漁獲枠を集めることで、大規模化させ、経済的に有利で効果的な漁業をすることができる。
(3)利益率の異なる経営体の間で漁獲枠の譲渡が発生することによって、
 (a)利益率の低い経営体は、漁獲枠を譲渡して漁業から撤退する。
 (b)過剰な漁獲能力が自動的に削減される。
 (c)利益率の高い経営体のみが残るので、合理化が進む。
 (d)譲渡によって、双方が利益を得る。
 (e)譲渡によって、漁業全体の利益が増える。


日本でのIQ、ITQ論争の経過(2007年2月〜2008年12月)
IQ、ITQ方式採用を主張する規制改革案
『高木委員会』の提案
 2007年2月、日本経済調査委員会に、当時農林漁業金融公庫総裁で農水省時代に事務次官も務めた高木勇樹を委員長とする『高木委員会』から抜本的な農業改革を提言する報告書と共に、水産業に対しての提案の中間報告がだされた。
1)水産資源を無主物としての扱いではなく、日本国民共有の財産と明確に位置づけるべきだ。
2)IQまたはITQ制度を導入すべきだ。
3)養殖業や定置網漁業への参入障壁を撤廃し、参入をオープン化すべきだ。
2008年10月、高木委員会から「規制改革を急ぎ水産再生を」という提案が出された。

規制改革提案のメンバーの1人であった勝川俊雄氏のブログより(2008年11月10日)
「かつては世界一の水揚げを誇った日本漁業は、衰退の一途をたどっている。日本近海の水産資源は枯渇し、漁獲量および漁獲高の減少に歯止めがかからない。日本漁業の生産性が極めて低く、公的資金によって存続している状態だ。日本では漁業は衰退産業だと考えられているが、世界的に見れば、漁業は成長産業である。持続的に利益を伸ばしている漁業国が複数ある以上、漁業自体が衰退産業なのではなく、日本漁業の構造になんらかの問題があると考えるのが自然だろう。」

◎日本漁業の衰退の中での日本の資源管理の現状
(1)TAC対象魚種が少ない
 TAC制度が始まって13年経過したが、対象魚種は7種類。そのうち法的な拘束力があるのはサンマとスケソウダラだけ。罰則規定も穴だらけで、厳正な取り締まりもない。対象魚が増える気配も無い。
(2)早い者勝ちのオリンピック制度
 漁業者間の過激な競争をあおり、他の業者よりもより早く獲るための過激な設備投資と小魚まで根こそぎ獲ることになる。
(3)生物の持続性を無視した過激なTACの設定
 科学者の勧告を無視した過剰なTACが慢性的に設定され、乱獲のお墨付きを与えているようなことになっている。
(4)TAC超過は野放しで取り締まりが無い。
 水産庁は自主的な停止を要請するだけで、何の罰則もない。

では、先進漁業国が採用し、成果を出してきた漁業政策を参考にして、

以上の失敗した現行の漁業政策に対して、漁業を持続的に発展させる4つの条件とはなにか?

(1) 個別漁獲枠制度
 IQ制度のもとで利益を伸ばすには、重量当たりの単価を上げる以外に方法は無い。漁業者は自ずから価値の高い魚を選択的に獲るよう努力し、結果として漁業全体の利益が増加する。
(2)譲渡可能性
 漁獲枠を相互に売買することが出来る譲渡によって、漁業から無駄を省き、経済効率を高めることが出来る。譲渡をどこまで許容するかが重要なファクターとなる。
 ノルウエー方式…漁業者の漁船に漁獲枠を配分し、漁業者の既得権を最優先させる。売買は原則的には禁止されているが、減船する場合のみ譲渡が可能。採算の採れない漁業者が、漁業から撤退する道筋をつくった。(社会的公正を保つ)
 産業の生産性が増すと、自立したほうが良いので、補助金の要求が無くなった。
 ニュウジーランド方式…漁獲枠の自由な譲渡が可能。経済効率を高めるために、漁獲枠を漁船から切り離した上で、自由な譲渡を認め、利益率の高い業者が買い集めることで、漁業全体の利益を増加させる。漁業枠を投資の対象とすることで、外部からの資金調達もできる。年間だけの漁業権(ACE)の売買も認めことによって短期的な操業の自由が増し、漁業の適応力が高まる。
 漁獲枠の上限を定められ、規制の範囲内で寡占化が進んでいるが、オーストラリアでは寡占化の動きはない。ITQによって、必ずしも寡占化が進行するわけではない。
(3)予防原則に基づく控えめなTACの設定
 科学者が予防原則に基づく控えめな漁獲枠を提案し、漁業者もそれを当然のものとして受け入れる。原因が人為的か否かを問わず資源が減れば禁漁を含む厳しい措置をとる。
(4)厳正な取り締まり
 厳正な罰則規定は、漁業者を罰するためではなく、皆が安心してルールを守るために必要となる。

日本漁業を再生するための、新たな漁業規制改革とはなにか?
「日本のTAC制度は、資源管理としての機能を全く果たしていない。資源管理を放棄した日本漁業が衰退するのは自明の理である。
 では、日本漁業再生には何をしていかければならないのか?
 オリンピック制度のままTACを下げると早獲り競争が激化して漁業が破綻する可能性が高い。
(1)まず、重要魚種の全てにIQ制度を導入し、
(2)違法操業への取り締まりが出来るよう法制度・組織を整えるべきである。
(3)その次に、過剰なTACを徐々に削減してゆくのが良いだろう。
 日本には資源の生産力と比べて、過剰な漁業者が存在する。IQ制度を導入しただけでは、みんな貧乏になる以外に選択肢がない。
(4)漁業者の生活を安定させるためには、数を減らすしかない。ノルウエーのように、漁業からの撤退を前提とした漁獲枠の譲渡を許可するべきだろう。

 ここまでやれば、漁業は自から回復へと向かうはずだ。漁業枠の譲渡をどこまで自由化するかは、時間をかけて慎重に議論すべきテーマである。譲渡の自由度を増やせば、それだけ経済的な最適化が進む反面、寡占化などの社会的なリスクが増大する。日本はどのような漁業を目指すのかを明確にした上で、適切な政策設定をする必要がある。

「規制改革会議」の第二時答申では以下の4点が挙げられている。
(1)生物学的に計算される漁獲許容水準に基づくTACの設定の厳正化、決定プロセスの透明化。
(2)TAC設定魚種の拡大
(3)TACの厳守に向けた合理的操業モデルの樹立
(4)IQ制度の導入対象魚種の拡大およびITQ制度の検討
 この4つの施策を軸に資源管理を行い、日本の漁業を持続的に利益の出る産業に再生することが、規制改革の狙いである。

 人間の漁獲能力が 生物の生産力を凌駕している現状では、適切な資源管理を抜きに漁業の存続は不可能だ。「早い者勝ちで、獲れるだけ獲る」を続ける限り、いくら公的資金を投入しても、日本漁業は衰退を続けるだろう。ITQ制度を導入し、質で勝負する漁業に切り替えねばならない。日本では、漁業改革の取り組みは始まったばかりだ。今後もしばらくは厳しい時代が続くだろうが、我々は進まねばならない。何も考えず、好きなだけ魚を獲っていれば良かった、幸せな時代は終わってしまったのだ。日本の漁業政策の最終目的は、日本の漁業を自己改革できる組織にすることだ。(勝川俊雄ブログより)

IQ、ITQ方式導入に対する反対論
(1)水産庁によるIQ、ITQ方式導入中止決定の理由
日本の水産業会では、「高木委員会」(後述)の水産業改革のための中間報告により、2006年末から2年半、IQ、ITQを導入するか否かをめぐって激論が交わされたが、以下の理由で導入が否定された。
1)特定の魚種だけではなく、沿岸の刺し網や沖合い底引きで、何種類もの魚を混獲する日本の漁業の場合には、特定の魚種だけのTAC割り当ては設定しにくい。
2)漁獲量の枠が決まっているために、高く売れる魚(サイズ・脂の乗り等)だけを獲り、値の安い魚(サイズの小さいもの・稚魚・脂の無いもの等)は沖合いで廃棄される可能性がある。
3)水揚げ量の正確、公正を期するためには、漁獲量を漁業者の自己申告によるものでなく、第三者機関によるものとすると、人手・金・時間の管理費用が膨大となる。

(2)東京海洋大学海洋科学部 桜本和美教授の反論(水産経済新聞での記事より抜粋)
1)魚が減っているというのは、事実無根の言いがかり。
2)我が国の資源管理は機能している。
3)社会経済的なその他の事情を勘案し、ABCを超過するTACを設定するのは妥当。
4)ABCは科学者の合意事項に過ぎず、科学的ではないので無視して良い。
5)規制改革会議が、現行のABCに固執しないのは変節である。
6)TACは現状の7種類で十分であり、増やすべきではない。

(3)漁業制度問題研究会(国漁業協同組合連合会の下部組織)からの反論
 突如として漁業大改革を唱える高木提案に、現状維持派の団体や研究者が猛反発する。はおおよそ次のように反論している。
ア) 漁協が行政と協力して利害調整を図っている現行制度を維持するべきだ。
イ) ITQを採用すると資金力のある企業が高い価格で買い集め、漁業者は退散させられる。養殖業や定置網に外部のものがいったん参入すると、あとは企業の専用漁場になってしまう。
ウ) 新規参入によって雇用が失れたり、地域社会が崩壊する可能性がある。
エ) 経営組織を見直し、経営体間の競争的操業から強調的操業、協業的経営まで踏み込んだ取り組みを実施すべきだ。

2007年末、この問題は内閣府の「規制改革会議」に持ち込まれ、第二次答申から2008年末の第三次答申まで激しい論戦が展開されていった。(以上山下東子著、魚の経済学)

さらに、規制改革反対論に対する反論
    水産庁の旧態依然の漁業政策の決定に反論する
(勝川俊雄)

水産庁のIQ、ITQ導入中止の理由
 規制改革での個別割り当て方式の欠点

1)特定の魚種だけではなく、沿岸の刺し網や沖合い底引きで、何種類もの魚を混獲する日本の漁業の場合には、特定の魚種だけのTAC割り当ては設定しにくい。
2)漁獲量の枠が決まっているために、高く売れる魚だけを獲り、値の安い魚は廃棄される可能性がある。
3)水揚げ量の正確、公正を期するためには、漁獲量を漁業者の自己申告によるものでなく、第三者機関によるものとすると、人手・金・時間の管理費用が膨大となる。
4)漁獲枠の寡占化が始まる。
5)大漁港への水揚げの集中により、地方の港、加工が衰退する。
6)漁村は疲れ、漁業者の小作化が進む。
要するに、古き良き漁業が、利益至上主義の経済行為となってしまうことを心配しているのだ。

水産庁の規制改革案反対に対する反論
「1)日本は多様な魚を混獲しているので、特定の魚種だけのTAC割り当ては設定しにくい」
 日本漁業において、上位10系群で海面漁業生産の50%を占め、生産量として重要な魚種は限られている。全てをITQで管理しろというわけではなく、とりあえず現在のTAC魚種管理のオリンピック制度をITQに置き換え、漁獲量の個別配分と譲渡ルールさえ決めれば、ITQの導入は可能だ。さらにITQは企業的な大規模漁業(巻き網漁・底引き網漁)を管理するためには不可欠である。反対者は、オリンピック方式で管理する理由を明示すべきで、ITQがなじまないと主張する人間が、日本になじむ資源管理の実例を示した試しがない。対案を出さずただ反対をしているだけだ。

「2)漁獲量の枠が決まっているために、高く売れる魚だけを獲り、値の安い魚は廃棄される可能性がある」
 ノルウエーでは、もって帰らせることが第1歩とし、投棄には厳しい罰則を科し、もって帰ると利益の80%はマイナスされるが、20%の収入が入り、養殖の餌として使えるとする。ニュジーランドでは海上投棄は全て禁止されているので、全て持ち帰らなくてはならない。漁業枠を持っていない魚が獲れた場合、漁業者は売買が認められている「その年の漁獲の権利」をどこかから買ってくることになる。購入が出来なかった時には、「見なし価格」を政府に払うことになる。

「3)漁獲枠の寡占化が始まり、漁村は疲れ、漁業者の小作化が進む」
 大企業による漁獲枠の寡占化は、譲渡を制限することである程度回避できる。漁獲枠の所有者は漁業従事者に限定すれば、漁業の小作化は回避できる。

「4)ニュジーランドでは、漁業者数、漁船数ともにかなり減少した」
 日本の漁業者は1986年の42万人から2000年には26万人の4割減少。漁船数は3割減少、特に大型漁船の減少率が大きく、産業の衰退、弱体化の表れである。小型漁船の減少率が少ないのは、年金生活者の60歳以上の人間が漁業にとどまっているからである。
 同じ期間にNZは3,160人から2856人の1割減少したが、加工が増えた。加工も含めれば、NZの雇用は増えている。過剰な漁獲分野から必要な加工分野へと労働者が移動し、「多く獲る漁業」から「高く売る漁業」へと産業構造が変化した。漁船数は4割減少したが減少の大半は10トン未満の小型船で、40トン以上の中・大型船は倍増し、漁業者の減少は1割であった。漁船の総トン数はむしろ増えているのかもしれない。

「5) 関係者の不満の無い漁獲枠配分が難しい」
 無理だからIQ制度は導入しないというのは本末転倒だ。早獲り競争であるオリンピック方式を抑制するには個別配分が必要なのだ。

「6)漁獲量の迅速かつ的確な把握が難しく、管理にかかる行政コストの試算が約430億円もの費用が掛かる」
 多くの漁業国は、リアルタイムで漁獲量を正確に把握している。日本で漁獲量が把握出来ていないのは水産庁の怠慢である。430億円の算出根拠はどこにあるのだろう?  NZでは漁業者から徴収した資源回復税で全てをまかなっている。年間予算が4,000億円もあって、未来の食糧供給に必要な資源管理の費用をケチる理由がわからない。利用者もいないような漁港建設を控えれば、400億円なんてなんとでもなるだろうに。
 これらのコストはITQだから必要なのではない。水産庁は、IQやITQの量的規制よりも、TAEのような操業規制が有効であるとしてきた。総量規制でも水揚げの正確かつ迅速な把握のための行政コストは現状でも必要なはずで、IQのために発生するものではない。

「7)漁獲隻数や水揚げ漁港が多いため管理が難しい」
 漁船数が多いといっても、大臣許可はたいした数が無いし、知事許可(沿岸)は自称・資源管理に積極的な漁業組合に業務委託すればよい。港にしても数は多いが、実際にまとまった水揚げをする港はわずか。そのわずかをしっかりと抑えた上で、他の漁港にも報告義務をつければよい。空いた漁港はヨットハーバーにでもすれば良いだろう。

「8)ABCは科学者の合意事項に過ぎず、科学的ではないので無視して良い」
 現状では、ABC以外の科学的指標が国内で出てくる可能性は極めて低い。日本で資源評価できるのは水研センターと水試の一部のみで、そのほぼ全員がABCの決定に関わっている。ABCに代わる科学的指標が出てくるはずがない。

ITQの最大効果
 借金漬けの赤字経営体が、漁獲枠を譲渡して漁業から撤退することができる。日本の漁業はかつて右肩上がりであった。儲けが出ても税金で取られてしまうので、漁業の利益は設備投資にまわすのが常識であった。それどころか漁業者は借金をしてでも設備投資をしてきたし、国もどんどん融資をした。
 この拡張主義の漁業は、右肩上がりで漁業生産が伸びることが前提であった。しかし、70年代に入って、EEZが設定されて漁場が狭くなると、漁業生産が減少に転じる。資源が減ったとしても、漁船を維持するために漁獲量を確保しなくてはならない。借金をして設備投資をしてしまったので、「魚が獲れないから辞めます」という選択肢はない。借金を抱えて撤退もままならない経営体が、赤字を減らすために獲って獲って獲りまくる。その結果、資源が枯渇すれば、健全な経営体もどんどん減ってゆく。借金漬けの赤字経営体は、補助金による水産振興という誤った漁業政策のツケである。

 もし、ノルウエーのような個別漁獲枠譲渡制度が完備されていれば、船自体に価値が無くても、船に付随する漁獲枠には借金をチャラにする価値が生じる。債務超過の経営体は、漁獲枠ごと船を売却して借金を清算し、漁業から撤退できるのだ。
 漁獲枠譲渡制度は、去る漁業者にも、残る漁業者にもメリットがある。こういう制度を整えた上で、漁獲枠を絞っていく必要があるのだ。今の日本漁業の状態では、漁獲枠の総量を絞っても、漁業は成り立たないだろう。

では、世界の先進漁業国でのIQ, ITQの採用の現状はどのようになっているのだろうか?

世界でのITQ採用の現状

(資料:水産業改革高木委員会)

ITQ制度の採用国で報告されている成果
(1)漁民の収入が画期的に増え、時間の余裕が出来た。(2)永続的に割り当てられた漁獲量を賃貸及び譲渡出来る為に合理化が進み、設備投資の無駄がなくなり、漁業者が大型化していった。(3)漁業就業者数が多少は減少したが、加工工場の雇用が増え全体的な雇用が増えていった。(4)漁業者が流通先を選択できるようになり、流通上の力関係が逆転した。逆に漁業者による流通の選択の寡占化を規制する必要が出てきた。

ワシントン条約締約国会議の大西洋産クロマグロの国際取引の禁止案否決
 2010年3月、ワシントン条約締約国会議の委員会で、大西洋産クロマグロの国際取引の禁止案が否決された。
もし認められると、将来太平洋産にも適用される可能性が大きくなるという問題も含め、近年の日本のクロマグロ漁獲状況がマスコミの大きな話題となった。
 しかし、この2週間ほどの築地市場でのクロマグロの高騰は異常であった。例年の通常価格の3倍に近いものとなった。ホンマグロのセリ値は、3年前から毎年20%から30%の値上がりとなっているのだが、昨年は例年になく全国的に漁獲量が少なかったために、異常な高値を付けることが多々発生した。

境港での大型巻き網漁への批判と現状
 境港漁協の大型巻き網漁は、夏場の産卵前後に行われる。2009年は餌のイカが早くから北上したために魚影が薄く、例年の3分の1の漁獲であったが、2008年は6月、7月の2ヶ月間で、クロマグロ4万3千尾の漁獲を記録した。この大型巻き網漁に対する批判と非難が以前からマグロ業界全体で渦巻いている。幅2500m、深さ300mに及ぶ大型巻き網が境港の3ケ統、長崎からの1ケ統、輪島からの1ケ統、蛸島の1ケ統の計6ケ統もが集中して操業する。
 産卵に来る大小様々のクロマグロを無差別に獲りこんでゆく。魚価の安い小メジマグロ(ヨコワ)などは沖合いに廃棄しているとも言われる。イカ漁船と組み、強力な灯りを利用した、禁止されている夜漁も行われていると言う。マグロ業界全体で反対している、この乱獲の漁獲規制こそ激減しているクロマグロの緊急対策として採られなければならない。そして2010年、境港の大型巻き網船によるマグロ漁は、壊滅的な漁獲量となった 。
 驚くべきことに日本海のクロマグロの生態と漁獲可能量は白紙に近いぐらいに調査されてはいないのだと言う。だから平成5年に倒産経験があり、今は日水の傘下のもとにある共和水産は、日本海での漁業規制の根拠が薄いとして、さらなる巻き網漁船の新造許可の申請をしていると言う。
 京都の伊根でのクロマグロの畜養もこの共和水産が日水の資本の下に行われ成功した。境港の大型巻き網漁による夏場の産卵後のクロマグロを利用しての成功で、晩秋から冬場の高値の時に出荷されてくる。今回のクロマグロの暴騰による高値取引の成功により、来期からはさらに拡大生産をすることになるだろう。
 そして12月、氷見漁協出荷の寒ブリの産地偽装問題が発生した。敦賀沖で共和水産の大型巻き網船が巻いた大量の鰤が美浜漁協に水揚げされ、そのブリが氷見の水産会社により、氷見産として大量に築地に入荷したと言うものだという。
 近年の富山湾内湾のブリ漁の大不振は、大型巻き網船による乱獲が大きな一因だとされているが、その大型巻き網漁による敦賀のブリが氷見産と偽装されるとは…、氷見漁協の憤激は大きい。漁協の調査を離れ、本格的な産地偽装の捜査が入ったという。

『東京湾再生計画』望月賢二 雄山閣(2010年8月30日初版第1刷発行) 
「戦後の社会発展に伴う負の遺産の蓄積の結果が今の東京湾で、社会の在り方の全面的見直しが不可避であるというものである。この作業過程で、(1)東京湾問題の最重要原因である『社会の在り方』とそれを誘導した国の政策と、(2)陸の変化は水・土砂循環系を通して海に影響するという当然のことが、専門書ですら議論や指摘が避けられているのを再確認した。これこそが最も深刻かつ重大な問題なのである」 

日本で初めてのITQの導入
「泉田裕彦知事の新潟県で、甘エビ(ホッコクアカエビ)漁業に、自治体初の取り組みとして早ければ2011年より、IQ制度が導入されることになった。北海道、石川県に次いで全国3位の漁獲量だが、2008年は584t、ピーク時である1972年の1254tの半分の水準となっている。
 水揚げされる40%が小さいサイズで、数年後にはさらに減少する可能性が強いとされる。そのため漁獲枠を漁船ごとに割り当て、小型のエビの漁獲も規制し、キロ単価の高い大型のエビだけを漁獲させることによって、漁獲量の回復と同じ資源量での遥かに高い漁獲高を上げることを目指すことになる。
 ホッコクアカエビはエビ篭で漁獲されるため、網目を大きくすることによってサイズの選別が出来ると同時に、生態的に混獲のない単独の漁をすることが出来る。生息場所も狭いために漁場を限定でき、IQ制度の成果を比較的簡単に調べることが出来る。
 初年度は漁獲量の制限と小型のものの漁獲を禁止するために生じる漁師の収入減を保障するために、漁獲量が回復するまでは漁業者の所得補償や融資の実施に、6千万円位の予算を計上することになるらしい。早ければ1年で、遅くとも2年で明確な結果が出てくるはずだ」(平成22年11月13日『築地、銀鱗さかな勉強会』講演・小松正行 政策研究大学院教授・農学博士「水産資源の枯渇 世界から立ち遅れた日本 新資源管理制度の導入」小松正行)

 IQ、ITQは、近年、世界中で発生した乱獲による漁獲量の激減に際して、最も有効なものとして採用されてきた漁業規制だが、それぞれの国で大きな成果を上げている。資源の回復による漁業者の収入の増加という、漁業再生のための理想的な環境が整っていった。
 日本ではTACが採用されて14年、TAEが採用されて8年になるが、漁獲量のさらなる激減のために漁業は疲弊し、再生の兆しは全く見えない。これは、明らかな漁業政策の失敗ということになる。


「日本漁業の驚愕的な凋落の現状(その1) 原因と再生」と「日本漁業の驚愕的な凋落(その2) 漁業政策の失敗と再生のための新たな資源管理規制とは?」の2回にわたるレポートは、45年になるすし屋稼業の、全国の産地・漁協を訪ね歩いてきた経験の中で、以前から疑問に思っていた事柄であった。
 特にこの10年ほど前から、何故なんだ、何故なんだ、何故日本漁業はこれほどまでに衰退してしまったのかと、次第に大きな疑問となり、大きなわだかまりとなっていた事柄の解明であった。かつての栄光の日本の漁業が何故こんな様になってしまったのか。調べている内に、すし屋の職人としても、実感として納得の行くことばかりであった。
 日本の漁業再生のためにも、今回の泉田裕彦知事と小松正行氏の協力による、新潟県でのIQの成功が、大きな話題となり、一般の人々の関心と日本の漁業再生の願望を呼び覚まし、この方式が全国の漁業現場に波及してゆくことを願っている。

平成23年1月10日

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